今日もだらだら、読書日記。

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堕天の狗神 -SLASHDOG- 3 ハイスクールD×D Universe

 

悲しみを生む姫島の業。朱雀の想いが、その刃を研ぎ澄ます!
五大宗家との会談に臨む悪魔・メフィストフェレスの護衛を務めることになった刃狗。しかし、エクソシストの少年・フリードや、日本妖怪たちが襲来。事態打開のため、鳶雄は自身に眠る力を朱雀に教わることとなり……

アザゼル総督からの依頼で、ラヴィニアが所属する魔法使いの組織の理事メフィスト・フェレスの護衛についた鳶雄たち。一連の事件について五大宗家と話し合うのが目的ということで、共に五大宗家の本拠地のひとつ『奥の院』に向かう。ところが、その話し合いを妨害しようとするエクソシストたち、そして五大宗家に恨みを持つ妖怪の大群の襲撃を次々と受けることに。その裏にはやはり『オズ』の魔法使い達の影が……。

敵味方入り乱れての総力戦!(バトルが多い…!!)

五大宗家の拠点を舞台に様々な勢力入り乱れて繰り広げられる大バトル回。五大宗家に堕天使に魔術師に悪魔にエクソシスト、それに妖怪の思惑が交錯し、そこかしこで激しいバトルが巻き起こる展開がアツかったんだけどいやほんとに最初から最後までバトル多いなぁ……!!(あとがきでも「バトルが多い」って言われてて笑った)四神+黄龍が勢揃い、ずっと顔見せだけしていた教会のふたりが本格的に登場、そして本編にも登場する悪魔達の名前もぼちぼち登場してこれまで以上に勢力図が複雑になってきた。

そんな中で1巻からちょくちょく登場してはいた姫島朱雀が本格的に登場、姫島家の事情や鳶雄自身のルーツが垣間見えてきて、鳶雄が新たな力を得るためにそれらと向き合って新たな力を得る展開がアツい!!……んだけど、合間合間に挿入されるちょっぴり無自覚えっちな朱雀お姉さんに翻弄されて紗枝や夏海に挟まれて否応なくラブコメやってる鳶雄くんが大変な癒やしでした。いや本編の展開が全体的に重いだけにこういう年齢相応なお色気展開に翻弄される鳶雄くんの姿、とても安心するよね。そしてラストしっかりヒロインが増える(というか元々フラグは見えてた彼女が本格参戦してきそうな)ラストに笑ってしまった。いや、紗枝との仲もきっちり進展してるから最終的にはそこに落ち着くと思うんだけど!本人望んでないのにどんどんハーレム構図になっていくの笑ってしまう。一方ヴァーリは新キャラの玄武ちゃんとコテコテなラブコメのフラグを立てていて微笑ましい。こっちも今後どうなっていくのか気になるところ。

そして師匠と一緒に登場のフリード神父、ファンリビユーザー的には「お噂はかねがね」のやつ。いや、半端にファンリビでネタバレ聞いてるだけに「ハイスクールD×D」本編数年前の姿であるところの彼がここからどうなっていくのかが──どうかんがえても近い未来に地獄が待ってるんだよなあ──なのですが、続きでてないのかそうか……。

新たな力を得たと言っても鳶雄の能力も成長途中の雰囲気だし、他の仲間たちもまだまだパワーアップイベントが残されてそうな気配、紗枝の中に眠る力はどうなってしまうのか、五大宗家との関係は、そして彼らを狙う他勢力はどう立ち回る?と、動きは多かったけどそれ以上に謎が増えた感じもあるお話でありました。ハイスクールD×Dの外伝的なお話なのは知っていたけどエピローグを読むと著者のもう一つのシリーズ「電蜂」の方の話も絡んでくる?かなり続きが気になる所で終わってしまったな……。

4巻書いてるみたいな話はツイッターで見たので続きが近い内に来ることを楽しみにしてたいです。

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僕らは彼女を王にする!〜クセすご最強パーティーは元リーダーのために暗躍します〜

 

元リーダーのため、最強のバカ達が大暴れ!
小国で有名なSSランク冒険者パーティー『アルカナ』。 超強大な魔法ばかり扱う魔法士、ただの拳で地面を割るほどの戦士、空間を操作して後方を支援する補助職、ほとんどすべての外傷を癒してしまえる回復士、どんな相手でも一撃で仕留めることのできる暗殺者。 そんな凄腕達で結成されたパーティーが、ついに解散となってしまう。 その理由は── 「じ、実は私……エレリア国の第四王女なんですっ!」 パーティーリーダーのアイリスが、実は大陸一の国家の王女だったのだ。彼女は、再び貴族社会にもどってしまうことに。しかし、それぞれアイリスに恩を感じているメンバーはあることを考えた。 「そうだ! アイリスを王にするために僕達が陰で支えてあげればいいんだ!」 恩を返すために、こっそり気づかれないように支える。だが、『アルカナ』の面々はそれぞれクセが強い。 纏め役のアイリスがいなくなった今、“こっそり”などできるわけもなく── 「ねぇ、さっきから視線が凄くないかしら?」 「それって横にいる誰かさんブーメランパンツ一丁で歩いてるからだよね、きっと」

最強のSSランク冒険者ばかりが集う特異なパーティー『アルカナ』。クセつよメンバーばかりだが、ランクが示す通り最強の集まり──そんな彼らを影に日向に支えてきたリーダー・アイリスが自国の跡継ぎ争いに参加するため、パーティーを解散しようと提案して活動拠点としていた小国をでていってしまう。日頃から彼女の存在に様々な面で救われてきたパーティーの面々はアイリスに気づかれないように跡継ぎ争いを支援すると心に決めて彼女の故郷・エレリア国に乗り込むが、パワーもクセもつよつよな彼らが目立たないわけがなく……!?

重めの世界観、軽快なコメディ、爽快な無双が全部両立する展開が気持ちよかった!

主人公パーティのわちゃわちゃが見ていて楽しいお話でした!主人公であるユリスとヒロイン・アイリスの一向に進展しないもどかしい関係性がとにかく微笑ましく、普段はユリスと口喧嘩ばかりしているのに内心ではユリスとアイリスの行く末を見守る態勢のパーティーメンバー達がふたりのもどかしい姿にやきもきしているのに読者の私がニヤニヤする。そうなんだ私はこういうどうみても両想いなのに全く進展しないもどかしいラブコメ、主人公がヒロインを助けるために周囲を巻き込み自分の全てを使って頑張る物語が大好きなんだ……。

でも、彼らがそんなふうにバカばっかやりながらも必要とあらば「SSランク冒険者」らしい強力無比な戦いを見せつけてくるのが爽快で、めちゃくちゃ良かった。どちらかというと世界観や登場人物たちを取り巻く出自は重ためだし、アイリスが参戦したエレリア国での跡目争いもかなり過酷な展開の連続なんだけど、でもそんなクソッタレな世界だからこそ彼らの絆やコメディでバカばっかやってる姿が光るんだろうなと。弱肉強食の世界でバカやって笑い合うためにはそれを為すだけの力が必要なんですよね……。

ほかにもコメディ強めの見開き口絵から口絵最終ページのシリアスなユリスのイラストが入るのめっちゃよくて本編の内容をネタバレしない形で巧みに中身で主人公がただバカやってくだけの話じゃないよ、かっこいい活躍もあるよと期待を持たせる構成が最高で、その口絵からの期待に期待以上に応えていく本編クライマックスの盛り上がりが本当に最高の高でした。全体的にコメディとシリアスのギャップがしっかりしていて、コメディとしてもファンタジーとしても大変美味しゅうございました。それにしてもあとがきキャラ対談、(スレイヤーズ以外で)久しぶりに見たな。

ぶっちゃけ「帯買い」だったことは否定できない

私がなんでこの本購入したかというのはこのブログを以前から追ってくれているかたには帯を見ていただければ理解るのではないかと思うのですが(この記事に貼ってある現在のamazonの書影にはついてる)、なんというか帯にこれを宛ててきたのも納得というかバカテス好きな人──というか吉井明久というキャラクターのヒーロー性や明久と姫路さんのもどかしいカップル具合とか、あと「クセつよ」なメンバーが仲良く大暴れする物語が好きな読者にはかなり刺さるお話なんじゃないかなと感じました。あくまで個人の感想です。

ただ、それだけに結構文章とかが露骨に当該作の影響を受けてる感じなのは個人的には少しノイズだなと……。いやギャグのテンポとか掛け合いのテンポとかキャラクターの口調の記号性とかにかなりの影響を感じたっていうか……いやこれでバカテス未読で帯は編集の采配で当該作の影響を受けた別の作者の影響ですとかだったらほんとすいませんが……。

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堕天の狗神 -SLASHDOG- 2 ハイスクールD×D Universe

 

あの人を守るためーー白龍は目覚め、黒狗が斬り裂くは東の魔女
自らが持つ力を磨くため、鳶雄たちは堕天使の学校「ネフィリム」に通うことになった。彼らの元に現れた教師バラキエルの血縁者・姫島朱雀。ラヴィニアが追う「オズ」の魔女たちの陰。黒狗の刃が新たな戦場を駆ける!

『虚蝉機関』との戦いを乗り越えた鳶雄たちは自らの能力を磨きながら堕天使の学校「ネフィリム」に通うことに。新たな生活を送り始めた彼らの元に、残りの『四凶』となった元同級生達の情報が入ってくる。急ぎ彼らを救うために動き始めるが、そこにはラヴィニアが追っていた魔女達の組織『オズ』の影が見え隠れしていて……。

少年ヴァーリ可愛いかよ……。

ヒロインのひとりラヴィニアの出自を巡る物語が中心となる第2巻。1巻に引き続き「ハイスクールD×D」に繋がるあれこれを匂わせつつ、こちらのみで読んでも楽しめる物語となっていて楽しかったです。

今回は鳶雄たちの成長とか新キャラ達の大暴れとか「ハイスクールD×D」本編にも関わってそうな匂わせとか色々あったんですけどそれはともかくとしてとりあえず少年ヴァーリが可愛かったですね……普段は生意気盛りの素直になれない俺様ショタな彼がなんだかんだといいつつ仲間たちを放っておけなかったり自信満々なようで自らの不足を誰よりも自覚していたり、何よりラヴィニアを護るため「優しい人」を失わせないために戦うという決意がとにかく健気で良かった。良いオネショタだった……(台無し)

ヴァーリの話は一旦置いておいてそれ以外の話すると、とりあえず全員揃ったものの色々と不安が残る感じの『四凶』、救い出した紗枝の内に眠る能力がどうなるのか、堕天使達の内紛、五大宗家、そして今回メインとなった『オズ』の魔法使い、毎回終盤で存在を匂わせてくる教会。とにかく今にも動き出しそうな伏線だらけで次の巻どうなっていくのかますます気になる。1巻がそこそこ綺麗に終わった後の今後の展開を見据えた種まきみたいな回だったと思うんだけど、それだけにとどまらず紗枝を救い出した後の鳶雄が新たに戦う力を得るまでの成長やラヴィニアと『オズ』の因縁、ヴァーリの戦う理由なども含めて戦闘も因縁も盛り盛りの巻でした。そしてヴァーリがほんと可愛いんだけどすかさず彼のまだ見ぬライバルである「赤龍帝」の方の話に引っ張っていくのほんとズルい演出でニヤニヤしちゃう。本編の方はアニメ知識しかないんですけどええ。

予想以上にシビアな展開の中、シグネちゃんとポッくんのコンビが唯一の癒やし枠だった気がします。いやこういうキャラ好きなんだよな……なんだかんだいいところで台風の目としてひっくり返してきそうな感じも含めて……。

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イヴと偽りの天使たち ロクでなし魔術講師と禁忌教典【正典】

 

イヴが天使の少女たちの「先生」に!? 新たな「ロクアカ」物語
「いきなりクビなんて……一体、私が何したって言うのよぉ!?」  イヴ=イグナイト。アルザーノ帝国の英雄にして、炎を操る最強の魔術師──彼女が突然の全役職剥奪&国外追放!?  理由も分からず飲んだくれるイヴに“女王権令《オーダー01》”が届く──それは極秘任務の始まりだった。  潜入した異国でイヴが出会ったのは黒い翼を持つ天使の少女。  無垢な残虐性を持つグラム。  引っ込み思案で盲信的なマティア。  そして自らを失敗作と語り炎を異様に恐れているカノン。  任務のためカノンらの教官となったイヴは主張の強すぎる彼女たちに手を焼きつつも、再び“戦場”へと挑む──

第二次魔導大戦から1年後、特務分室の室長に復帰していたイヴ=イグナイトはある日突然全権を剥奪され、隣国レザリア王国で極秘任務に当たることに。その任務とは、偽りの黒翼を持つ三人の少女たちの「教官」になることで……!?

かっこいいけどポンコツ可愛いイヴさんが本当に良き!!

「ロクアカ」世界のその後、レザリア王国のとある部隊の教官として派遣されたイヴの活躍を描く後日談。面白かった〜!!ロクアカ本編と同じく本当の才能を知らずに燻っている少女たちをワケアリ教師がほかとは違った授業で教え導いていく教官物であると同時に、主人公が変わったことで同じ世界感・ジャンルでも全く味の違う物語になってるのが印象的でした。なんというか、グレンはやっぱり座学が面白かったけどイヴは完全に実戦寄りだよね。初手走り込みからはいる所とか軍隊出身ぽさが凄い。

ワケアリ&クセつよな教え子たちとの共同生活を送る中で少しでも心を開いてもらおうと奮闘するものの、いろいろな意味でから回ってるイヴさんの絶妙なポンコツぶりが微笑ましかった。アルザーノのときと比べて生徒数も少ないし距離感も近い分、本編ではなんだかんだで隠し通せてたポンコツぶりが表面化してる感じなんですよね。一番最初の全権剥奪されてノンアルコールで飲んだくれて特務分室の面々に慰められるイヴ=サンも可愛い。余談ですが福音後記でも思ったけどなんだかんだでイヴの世話女房もとい副官やってるイリアがめちゃくちゃ好きだ。

そんな普段はちょっとポンコツ気味なイヴがクソッタレな世の中で大人たちに虐げられていいように利用されてきた少女達を教え導き、自身の生命を賭けてでも守ろうとする姿があまりにもヒーローみたいにかっこ良かった!レザリア王国でほぼ周囲に敵しか居ない状態だったせいか、変に肩肘張らずに自然体で敵を打倒していく姿があまりにも良かったです。いやでも、レザリア王国に対して払う敬意がないからかもしれないんですけど、色々偉い人との交渉が雑……というか結構グレンの影響受けちゃってませんかね?

ロクアカ本編でイヴが好きな人は絶対に読んだほうが良いし、イヴがそこまで好きじゃなくてもイヴが更に好きになるお話になっていたので凄く良かったです!!ロクアカ読んでない人は……案外ここから入っても問題ないお話だったとは思うんですがどうでしょうね?かっこいい女の子が女の子を守って戦う話が好きな人は読んで後悔しないと思う。

正しく「正当続編」を感じさせる世界観設定良かった

良い意味で、もしもの分岐世界のお話として描かれていた「福音後記」とは違う、正当続編感が強かったのも良かったです。イヴが新たに覚えた魔術の話が出てきたりするのもその後のお話感強かったし、いまだ最終決戦の爪痕が残るレザリアが舞台……というのもまた、本編から地続きの感じで良かった。

そしてなぜこの任務にあたってイヴが追放される必要があったのかが明かされるクライマックス。確かにあんな魔術ドッカンドッカン使いまくられたら各国のパワーバランス崩れちゃうよな〜!!と思いつつ、自分が持ってしまった力を持つ責任を自覚しながらも必要になれば自分の信じるものを守るためにその力を使うことを躊躇わないイヴが本当にかっこよくて。いやでもこれ、他の面々がどうやって暮らしてるのか改めて気になりました。この文脈だと今後もグレンの登場はなさそうな気がするけど、まだ特務分室に居るのではないかと思われるリィエルや一応王族の一人であるルミアはワンチャンあるんじゃないですかね!?いやでも、最終的にグレンの本当の「本命」が見れる可能性にも期待しちゃうよな(福音後記はあくまでもしもの奇跡だと思っているので……いやでもなんだかんだ一人身のままなグレン先生でも良き……)

続編の連載も早くも始まっているということで、しかも続編の舞台は懐かしのアルザーノということで……続きも楽しみ!!

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声優ラジオのウラオモテ #13 夕陽とやすみは道を選びたい?

 

主役への道は演技力だけじゃない!? 次代を担う新星声優も登場の13巻!
「新しい時代の桜並木さんが現れた、って言えば伝わるかな」 『主役』への拘りが強くなったものの、もらえるのは悪役のオファーばかり。悩む由美子が次に共演するのは、千佳すらも唸るほど顔が可愛い、後輩アイドル声優の綿菓子モコで――。 「わたし、キャストは純粋な実力で決まるとは思ってないですよ」 新人なのに主役の経験を持つ彼女。ただ、売れているのは演技がすごいからじゃなくて、事務所のプッシュのおかげらしくて? そんな時に声をかけてきたのは、モコのマネージャーの南雲だった。 「歌種やすみさん。カラメル・プロモーションに移籍しませんか?」 夢を追うからこそ悩み迷う、青春声優ストーリー・第13弾!

声優としての仕事が安定してきて一安心もつかの間、今度は悪役オファーばかりで主役を穫れないことを気に病む由美子。相方である渡辺千佳は夕暮夕陽としてアーティストデビューを果たし、彼女の変化を好ましく感じると同時にますます複雑な想いを抱えることに。そんな中、由美子が共演することになったのはカラメル・プロモーションの新人で次代の桜並木乙女とも噂される声優・綿菓子モコだった。自分を慕ってくれるものの時々棘のある彼女の発言に複雑な想いを抱えていた所、彼女の所属する事務所から引き抜きの誘いが来て……!?

夕暮夕陽さんの相方マウントが最高でした(知らぬは本人ばかりなり)

「声優ラジオのウラオモテ DJCD」を読んだときから来そうな気がしてた、カラメル・プロモーションからの引き抜きの話。いや来ると思ってたけどこのタイミングでくるのか……プリティアの件もまだまだ記憶に新しいこのタイミングで……この話、どう頑張っても南雲先輩が歌種やすみを見てないの丸わかりでキツいのよ……。

誰一人として所属声優を見捨てないというカラメルプロのやりかた、DJCDを読んだときは結構賛否両論になる話だな……と思っていたんですけど、実際に本編に来ると思ったより駄目だった。いや、抱いた理念は素晴らしいものなんだけど実際に事務所パワーでゴリ押しされてる綿菓子モコ、どう考えても幸せになれてないしなんなら育成失敗してるし……声優としての素養は高いのに事務所が彼女の良さをちゃんと伸ばしてあげられてないというか、彼女自身が自分の才能を一番信じてないの、読んでてしんどいわ……。

事務所を移籍したら事務所の力で主役のオファーも獲ってもらえる、逆に今のままでは永遠に主役は穫れない……と言われてしまって心揺さぶられる由美子。そんな由美子とは対称的に、千佳は綿菓子モコに対抗心をむき出しにして……というかこの声優の相方マウントがすごい2025。いやぁ良いバチバチ感でした……いやほんと千佳ちゃんって由美子の事好きすぎでしょ……知らぬは本人ばかりなりなんだよな……。

そして、圧倒的なカリスマ性を持つ綿菓子モコに対して歌種やすみが相方である夕暮夕陽と共に「アイドル声優」として真っ向から立ち向かっていく展開が熱かった。ゲームじゃあるまいしライブでバトルというのもおかしな話ではあるんだけど、お互いに譲れない信念を掛けた戦い、しかも圧倒的に不利な状態からはじまる対決なんてアツくならないわけがないよね。そしてアイドルとしての可愛さ、歌手としての歌唱力で天性の才能を持つモコに叶わないとしても「作品のライブ」であれば「声優」としての演技力でそれを補い、彼女に対抗することが出来る。由美子が千佳からの無茶振りに困惑しつつも最終的にはきっちりと彼女からのリクエストに応えてくれる姿にニヤリとしてしまいました。

それにしても、負けっぱなしのところから最後の最後で「憑依型アイドル声優・歌種やすみ」がいつかのオリオンvsアルフェッカのライブばりの演技力でライブ会場の全部を持って行くクライマックスがあまりにも最高だったんですけど、そこから更に圧倒的なパワーと運命力で遅れてやってきた桜並木乙女が全部をかっさらっていくのズルすぎた。こ、これだから乙女姉さんはさぁ!!(でも最近の話の、殺意高すぎるパワータイプの現役カリスマ声優・桜並木乙女さんが強キャラすぎて好き)

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ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編2

 

「今日は徹底的におまえの秘密を白状してもらうつもりだ」
リーダーと認められた綾小路。これまで関わりのなかったCクラスの面々、島崎や吉田、白石、西川たちとも交流を深めていく。そんな中、謎に包まれた新たな試験が発表された。与えられたのは2つの情報「明日から新たな試験が始まる」「詳細発表は一週間後」のみ。様々な試験の可能性と対応を即座に話し合うなど優秀性を発揮するCクラス。 一方堀北たちAクラスは春からのダメージが蓄積し茶柱に当たるなど、結束することができない。しかし堀北もクラス、生徒会の問題を一人ではなく軽井沢や櫛田、伊吹に相談するなど成長を見せ始め――。シリーズ絶好調! 生徒たちの想い入り乱れる、3年生編第二弾!

Cクラスのリーダーとして認められた綾小路達を待っていたのは、試験内容が伏せられたままはじまる奇妙な試験。各クラスはそれぞれに試験内容を吟味しながら、静かに火花を散らす。綾小路がCクラスの面々と交流を深めて新しい関係性を築いていく一方、堀北達のクラスはいまだ結束しきれずに居て……。

堀北の裏主人公化が凄くて今後が楽しみすぎる

あとがきで予告された夏恒例の「アレ」に先駆けた伏線貼りの回という側面が強いお話だったんだけど、前巻以上に3年生になるにあたって大きく変化した人物たちの関係性を改めて見せてくるのが面白かったし、1年生編の「一番最初の試験」を改めて想起させていくことで各キャラたちの成長が透けて見えるのが良かった。みんな成長したけど、特に須藤と軽井沢が頼もしすぎて凄い……。池とか高円寺とか色々と不安要素がないわけではないけど。

そして今回はクラス全体の挙動が重要になる試験……ということで、相変わらず我が道を行く高円寺を抑えるため堀北が出向くことに。綾小路の助けがなくても僅かな言い回しの違いから試験の「正解」にたどり着いた堀北に成長を感じるし、今回は生徒会長として下級生の揉め事を危なげなく解決して見せる姿も印象的でした。そしてそんな堀北はクラスが分かれたことをきっかけに改めて綾小路清隆の過去を探ることになり……改めて3年生編のもうひとりの主人公として堀北がクローズアップされていく展開がアツいなぁ。というかラストのアレ、今後堀北が遠からず綾小路の「正体」に辿り着くってことだよなあ……。

綾小路清隆の恋愛事情(え、そっち!?)

一方、前巻から引き続きちゃくちゃくとCクラスのクラスメイト達の把握を勧める綾小路。いやまあ試験内容からしてCクラスとしてはもう何もやることがないというか、ボーナスステージなんですよね……1年生の時に何もせずとも満点通過したんだもんな。

橋本や森下や山村といった2年生編の頃から出番のあった面々とクラスの今後について話し合ったり、隣の席のミステリアスな少女・白石が気になったりしつつもそんな中で気になっていたのは2年次終盤に誘いをかけてくれたのに期待に添えなかったBクラス・椎名ひよりの事。彼女に誤りたくて図書室に向かうもなかなか上手く遭遇できなかったり、いざ話しかけようとしたら距離を取られて動揺したり、彼女の些細な仕草に翻弄される姿はまるで恋する年相応の男の子のようで……ええ……!?なんだこのもどかしい展開は……よ、よう実が普通にラブコメやってる……!?

いやほんとここにきてひよりと両片思いやってるところとか初めての感情に胸を震わせる姿とかまさかの金田と三角関係になってるとかめちゃくちゃ面白かったんですけど、いやあの軽井沢さん………………(ここにきてあそこまでやっといて結局一切恋愛感情ありませんでしたみたいなダメ押しされるの、でも軽井沢と付き合ったおかげで恋愛のアレコレがわかるみたいなこといわれるの、可哀想過ぎる…人の心があるのに人の心がなさすぎる……)

綾小路に関してはどうやって堀北クラスの情報を得ているのか(前巻で示唆されてた櫛田との同盟なのか?)とか、ここにきて長谷部とよりを戻しそうな感じとか(ここ本当に「綾小路清隆ひとのこころがない!!」って叫んでしまった)も気になるんですよね……いやほんとここからどう転んでいくのか。

もういろいろな意味でここのところの綾小路に芽生えた感情が物語にどういう影響を及ぼしていくのか、それとも何も及ぼさないまま終わるのか、ここにきて一気に水面下というよりも表面上での活動が目立ってきたホワイトルーム関連のあれこれも含めてどう絡んでいくのか、本当に楽しみです。

こんなことになっても友達としてメールのやりとりしてくれる石崎が可愛い。堀北の牛肉ハンバーグに目を輝かせる伊吹が可愛い。本当にもう龍園クラスにしか癒やしがねえ……。

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2025年上半期に読んで面白かった本11選

7月もたけなわで今更感半端ないですが久しぶりに作りました上半期まとめです。だいたい私の通期まとめはまとめ系の企画の締切を軸に回っている(「好きラノ」投票本日まで!)

新作を中心に今年発売の作品を4つ、去年以前発売だけど今年1巻を読んだシリーズから4つ、既存作品で今年出た部分が面白かったシリーズを3作品紹介しています。興味がある作品があればぜひ手にとって見てください。他の作品もみんなおもしろかったので、興味のある人は「1巻感想まとめ」のページから気になる書影をぽちぽちしてやっていただけると嬉しい!

新作・今季1巻が出たシリーズ

片沼 ほとり「俺は学園頭脳バトルの演出家!1 〜遅れてやってきた最強転校生は、美少女メイドを引き連れて学園を無双するそうです〜」→感想
「演出家」を目指す主人公がゲームで全てが決まる学園で暗躍する(はずがうっかり目立ってしまう)お話。ゲームで皆を笑顔にしたいという前向きなお題目とは裏腹に目的のためなら手段を選ばないというアンバランスさが印象的で、新人賞作品らしく綺麗にまとまっていた1巻・1巻を掘り下げてさらなる深みを覗かせる2巻共にめちゃくちゃ面白かったです!このラノベの続巻が読みたい2025上半期文句なし1位。
古宮 九時「成り代わり令嬢のループライン 繰り返す世界に幸せな結末を」→感想
大好きなWeb小説の世界に転移した主人公がバッドエンドでループし続ける物語をハッピーエンドに導くために奔走する物語。絶望的な結末を前に決して歩みを止めない主人公がかっこよく、彼女の歩みとともに少しずつ紐解かれていく世界の真実が印象的でした。物語の謎がひとつ残らず明かされていく展開、1冊で綺麗にまとまってるのも◎。
夕鷺 かのう「かりそめ聖女は今日も王太子(推し)に求婚される 私との結婚は【解釈違い】なのでお断りします!」→感想
趣味というか副業で自国の王子を題材にした物語を執筆していた主人公がひょんなことからその王子に求婚されてしまう物語。「書」に魔力が宿る世界で主人公の描く「物語」が世界を救う展開がめちゃくちゃおもしろかったんですけど、「うすい本」「ナマモノ」「推し」という単語で彩られてしまうと共感性羞恥が発生するのはこれいかに……シリアスだけどコミカルな展開が面白かったです!!
葵せきな「あそびのかんけい」→感想
ボドゲカフェで店長代理を務めるバイトの主人公と同僚のギャル子さんが繰り広げるすれ違い系ラブコメ。テンポ良い会話劇をやる一方で主人公たちの重たいバックグラウンドや1巻にしてわやわやすぎる相関図の三角関係で翻弄してくるのが大変楽しかった!

今季1巻を読んだ今季発売じゃないシリーズ

朝霧 あさき「ベル・プペーのスパダリ婚約〜「好みじゃない」と言われた人形姫、我慢をやめたら皇子がデレデレになった。実に愛い!〜 1」→感想
見た目は人形のような儚げな少女なのに中身は最強スパダリという主人公が、外見のせいで『呪いの王子』と虐げられ愛に飢えてきた皇子を伴侶に迎えてドロドロに蕩かしてしまうお話。強い女×強い男という最強のバカップルが国家を揺るがす謀略や自身を脅かす陰謀を暴いて蹂躙する!!という展開がとにかく楽しかった!性転換主人公×女装皇子という倒錯カップルも最高。
暁月 紅蓮「吸血鬼作家、VRMMORPGをプレイする。〜日光浴と料理を満喫していたら、いつの間にか有名配信者になっていたけど、配信なんてした覚えがありません〜」→感想
吸血鬼に生まれたせいで日の下を満足に歩めなかった主人公がVRMMORPGの世界を自由気ままに満喫する、その様子が本人も知らぬまま配信されていて…!?というお話。九百年生きた吸血鬼だから俺TUEEもかくなるかなだし、世情とデジタルにうといおじいちゃん主人公がVRMMOの世界を心から楽しんでいるのが微笑ましかった。あとお父さん大好きな息子さんが可愛すぎる。
恋狸「リスナーに騙されてダンジョンの最下層から脱出RTAすることになった」→感想
タイトル通りの展開で、ダンジョンの最深部に取り残された初心者の主人公が無双スキルも俺TUEEもしないままただただリスナーからぶん投げられる無責任なアドバイス・スパチャに自身の狂気を組み合わせてゴリ押ししていく展開が楽しかった。ゴリ押しなのに毎回そこそこ違う展開で突破していくの強いんだよなあ……。
佐藤悪糖「配信に致命的に向いていない女の子が迷宮で黙々と人助けする配信」→感想
喋るのが苦手な主人公が基本無言でダンジョン配信をする物語。配信物でありながらほとんど主人公の喋りがないまま続いていくのが異質で、その一方でリスナーや他の協力者達と二人三脚でなければ成立しない物語がとても良かった。独特の空気感が気持ち良い作品でした。

面白かった既存シリーズ

鏡 貴也「大伝説の勇者の伝説18 みんなが昼寝王国民」→感想
いやもう完結しただけでめでたい……みたいなとこあるんですけど、最終巻の前半分くらいでもまだ「ここからどう落ち着くの!?」と悲鳴を上げるような展開の連続で、最後まで先が読めない展開がすごかった……ボロボロになりながら皆で掴み取ったハッピーエンドが最高でした。
二月 公「声優ラジオのウラオモテ #12 夕陽とやすみは夢を見たい?」→感想
もうずっと面白いこのシリーズなんですけど今回は特に人の心がない、人の心がなかったよ……声優・歌種やすみ最大の転機にして最大の試練、血反吐を吐きながらなんとか立ち上がって見せた怪演と、それを裏から支える相棒の夕暮夕陽、そして仲間たちの励ましが胸に熱い物語でした。
衣笠 彰梧「ようこそ実力至上主義の教室へ 3年生編1」→感想
いろいろな意味で衝撃的な展開で幕を下ろした2年生編から登場人物達の関係性を一新した状態で始まった最終学年。様々な意味で成長した生徒たちの中で主人公の綾小路自身も一年の頃と比べて大きな変化を見せており……新シリーズ第1巻からめちゃくちゃ面白かったし、これまでの集大成となりそうな物語の展開が大変楽しかったです。

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わたしの創った千年王国: 1 天才魔導師の自由気ままな転生無双譚

 

「来世は平凡に生きたいな……」邪竜を倒し、世界を救った大魔導師レティシアは、そう願いながら目を閉じた。彼女が命と引き換えに発動させた、千年続く結界を残して。残された仲間たちは嘆き悲しみ、その地に『千年王国』を建国した――。それから二百年後。レティシアが転生したのは、牢に幽閉されていた痩せっぽっちの少女だった! 「平凡じゃないどころか、真逆なんですけど!?」獣人に囚われ、虐げられていたことに怒り心頭! 神から与えられた魔導書と、規格外の魔力を取り戻したレティシアは今度こそは好きに生きようと決意するのだが……。邪竜も転生しているし、かつての仲間たちも長寿を得て生きているし、獣人たちはしつこく追いかけてくるし、まったく平凡にはならなくて!? チートな能力をひた隠す、大魔導師の世界ぶらり旅、堂々開幕!

その生命と引き換えに邪竜を封印して世界を救った大魔導師レティシア。「今度こそ平穏な人生を」と願って転生したはずなのに、転生後の世界では獣人に囚われ、虐げられ……平穏とは真逆の境遇に陥っていた!?

世界観の重さを吹き飛ばすようなパワフルな主人公が可愛い!

最高神の加護を受けて世界を救った大魔導師の生まれ変わりである主人公の少女レティシアと闇の女神の加護を受けていてかつて主人公に倒された邪竜の生まれ変わりである青年デューク、かつての生では殺し合ったふたりが再び出会い、今度こそ平穏な人生を歩もうとする物語。

お互いに記憶を取り戻すまでの境遇があまりにも重たすぎるんだけど、そんな重さを吹き飛ばすようなパワフルな主人公の生き様が気持ち良いし可愛い!作中では最強レベルの強さを持っている主人公コンビが、それぞれの事情から思うようにその力を全力では振るえない状態で窮地を脱していかなければいけない展開が面白かったです。しかしレティシアが力を十全に振るえない理由、おおよそ中間管理職とか社畜のそれなんだ……(世知辛い)。

パワフルで景気の良いレティシアに加えて、レティシアが使役する聖獣エアリスとデュークの犬猿の仲な掛け合いが彼女の道行きを賑やかに彩っていくのも大変楽しかった。デュークくん、どう考えても愛が重すぎると言うかヤンデレの萌芽を感じるのでその辺の舵取りを誤ると大変なことになりそうではあるんですけど……いやでもこのエアリスとの仲の良い(本人たちにそのつもりはない)掛け合いを見ているとなんとかなりそうな気がしてくるな。色々と危なっかしい感じはあるけど、生き生きと新生活を楽しんでる感じが伝わってくるのは良かったです。

物語としてはいろいろな意味で序章で終わってしまったというか、現状だと自分たちを苦しめてきた獣人達にざまぁする展開なのかそういうことは忘れて千年王国を舞台に正体を隠して普通だけど普通じゃないちょっと波乱万丈気味なスローライフ生活を送っていくのかもわからない感じなのでどう転がっていくのか気になる。タイトル通りの「無双」要素もまだちょっと萌芽が見え隠れしているだけという感じだし。どっこい生きてる前世での仲間達との関係性がどうなっていくのか、レティシアに執着する獣人の貴族・カシュとの関係性も含めてどうなっていくのかも含めてどうなっていくのか楽しみです(いやカシュに関しては公式のキャラ紹介にイラスト付きですら載せてもらえてないのをみると、色んな意味で今後の出番はお察し感もあるのですが……)。

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異世界帰還勇者のサイコパス善行生活

 
7elec

異世界へ勇者として召喚された、主人公の善七。 圧倒的な強さを手にした彼は異世界で大事なものを失ってしまった……そう、倫理観。 そんな善七に業を煮やした女神は現実世界へと送り返してしまう。 さらに「一日七善さもなくば死」という規律を課するのだった。 人助けって一体何? 悩む善七が足を踏み入れたのは、人助けをするお助け部。 クセ者揃いの学校で善七を待ち受けていたものとは? 異世界帰りの元勇者が挑む、予測不能な善行サバイバル!

異世界に召喚され、勇者として世界を救った善七。ところが、異世界での生活の間にその倫理観はねじ曲がり、正義のためなら人殺しも厭わない乱暴者になってしまっていた!?ふたたび始まる現代での生活を前に、彼を召喚した女神は「一日七善さもなくば死」というとんでもないノルマを課してきて……!?

たよれるなかまは みんな倫理観が死んでる

異世界での戦いによって倫理観が狂った主人公が平和な現代でドタバタ騒ぎを巻き起こす……だけでなく、そこに主人公を慕う善人ヒロインやそれ以外の異世界帰りのメンツが絡んでくるのが面白かった。頼れる仲間は(善人ヒロイン以外)みんな倫理観がしんでる!聖女先輩は元から倫理観狂ってそうな気がしなくもない!!

事あるごとに「よし悪人は殺そう」となってしまう主人公を筆頭に、外面は良いけど中身は悪魔な聖女先輩(骨を折る(物理的に)のが趣味)や悪事の出来ない元魔王……などなど、いろいろな意味でクセモノだらけな異世界帰りの登場人物たちが自分たちに課せられた「ノルマ」を果たすべく法のギリギリを攻めながら(!?)所狭しと現代の学園を舞台に暴れまわる姿が面白かった。

というか普通に主人公の「1日7善」ノルマがきついんですよね。一週間に7善とかじゃなくて1日に7善なので割と普通に毎日大変だし、それでさえ学校がなくて普通にしてたら善行のチャンスが少ない休日に突如としてノルマが増えるキャンペーンが始まったりするのソシャゲのログボじゃないんだから!?となる。他の異世界帰りの面々に与えられたノルマを見ていても思うんだけど、そもそもノルマを与えた女神自身が全然善意からこのノルマ設定したんじゃないと思うんですよね……女神、ただの愉悦民だとおもうんだよな……。

そんな最初から最後まで狂った世界観と倫理観の中で、少しずつヒロインの影の助力によって強制されてではなく自然に『善行』することの小さな喜びを思い出していく主人公の姿が印象的でした。なにより「善行」として事あるごとに主人公に甘えてくるヒロインちゃん可愛いし、ノルマ達成後にうっかり甘えてすげなく断られるヒロインちゃん可哀想可愛い。

まだまだ真人間には相当遠そうではありますが、これからの成長を期待して見守っていきたくなるお話でした。

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あそびのかんけい

 

誰もが秘密を抱え、あそびのかんけいを続けるラブコメ、スタート!
ボドゲカフェ『クルマザ』店長代理の常盤孤太郎は、女子高生ギャルバイトの小鳥遊みふるに恋をしていた。「まずはサイコロを振らなきゃ、恋は始まらないぜ」って、彼氏がいるから告白できないんですけどねぇ!

高校を中退してアルバイトでボードゲームカフェの店長代理をしている常盤孤太郎は、バイト仲間で女子高生でギャルの小鳥遊みふるさんに片想いをしている。でもその想いを伝えることは出来ない。彼女には自分なんかとも仲良くしてくれる宇佐くんという完璧な彼氏が居るし、自分はひょんなことから天才女流棋士・歌方月乃に片想いしている「設定」になっていて……。

すれ違いだらけの複雑怪奇な三角関係(?)ラブコメ!!

読み終わってとりあえずプロローグの宇佐君とバンジョーのイチャコラにときめいた私のときめきを返してほしい(実質ネタバレ発言)。いやでも最後まで読んだらこれはこれで美味しいというかこの設定を1巻の時点で明かしてくれるの優しいなというか……何冊か引きずられたらツラいやつだった……。

良くも悪くも昔ながらのオタクで恋愛感情に疎い主人公のバンジョーと、そんなバンジョーを振り回すヒロイン・みふるさんの関係性がとてもかわいくてよかった!!相手に興味がないと装いながらもよそから見たら漏れ出すぎてる好意が微笑ましすぎるし、みふるさんが絶妙に小悪魔でえっちで可愛い。そしてそんなふたりがバイト先でボドゲを遊ぶだけのラブコメ……という時点でも大変美味しいのですが、そこからものすごい勢いで複雑怪奇に絡まった三角関係にしてくるの最高だった……。優しすぎて優柔不断気味なオタク男子とそのオタクに「何故か」優しいギャルのコメ強めのラブコメで片付けるのでなく、そこに激重なバックグラウンド入れてくるのが私の読みたい葵せきなという感じで好きすぎる。

長過ぎるあとがきの終盤でチラっと言われてたけど実質的にメインカップルの二人ではなく蚊帳の外であるはずの歌方月乃こそが真主人公でしたよね。でも確かにこの二人の複雑怪奇な関係性、一周回って第三者の視点からじゃないと描ききれなそうというか、コトがコトだけに当事者視点だと重くなりすぎたりいつまでも核心に触れられないままになりそうである……。時系列をあれこれすることで最初は普通に楽しく読んでただけの場面に全く別の意味が生えてくるの面白かったし、それに気づいた時には声だして笑ってしまった。いやこの三角関係の正しい構図、そんなことってあるぅ!?

否応なくふたりと「あそびのかんけい」になってしまった月乃が、否応なく彼らの間にある秘密や複雑怪奇な関係性を解き明かしてしまって抜け出せないくらい二人の関係に(二人の知らぬ所で)踏み入ってしまう展開がめちゃくちゃ楽しかったです。いや、月乃にとっては知らないほうが良い事実だったかもしれないけど……。

いつかこの関係性が正常化してふたりが無事にお付き合いできるようになる未来は果たしてくるのか。月乃が報われる未来はあるのか。いやでも最後まで正常化しないでギリギリの所で攻防戦を繰り広げてほしい気持ちがなくもない。楽しかったです!!

ところで「ゲーマーズ」の店舗特典が「生徒会の一存」とのコラボ小説だったらしくてめちゃくちゃ読みたかった。電子書籍で買ってるとこういう特典にうとくなりがちで……。

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